アメリカンコーヒーを考える

アメリカンコーヒーといえばいわゆる〝薄い(軽い)味のコーヒー〟
正式名称は 『アメリカン・ロースト・コーヒー』 と呼ぶそうです。
本国アメリカでのコーヒーの一般的な淹れ方が、浅煎り豆を粗挽きにして多めの量を落とすことから
その味を再現して日本でメニュー化したものが、アメリカンコーヒー
バリバリの和製メニューです。なので、アメリカで「アメリカン」とオーダーすると ???顔をされてしまいます。
ところで、このアメリカンコーヒー…
①浅煎り豆を粗挽きにして多めの量を落とした薄い(軽い)味のコーヒー
②ブレンドコーヒーをお湯で薄めた薄い(軽い)味のコーヒー
いったいどちらが本物なのでしょうか?
アメリカン登場の歴史をみると 〝浅煎り豆を粗挽き〟 が本物っぽいですが、
マシンでコーヒーを提供されているお店の〝アメリカン〟や〝アメリカ-ノ〟の場合、
ほとんどのお店はお湯割りしています。
それを考えると…
要は、〝薄い(軽い)味のコーヒー〟 が、アメリカンコーヒー で、どちらが正解か? という事を
取り上げる方が邪道なのかも知れません

豆屋の見解はというと
『コーヒーに憑(つ)かれた男たち』 嶋中 労 著(中央公論新社)
で語られている内容が正論と考えています。

要約すると…
『ドイツのプロパット社製焙煎機 といえば、車で言う ベンツ とも呼ぶべき世界的な名機。
日本にそのプロパットを導入して日本人担当が焙煎、ドイツ人技師に煎りあがったコーヒー豆を
誇らしげに差し出すと、ドイツ人技師は困惑した表情を浮かべながら…
「生だ生だ… こいつは生だよ」
ドイツ人技師に差し出したコーヒー豆は、当然〝生〟ではなかったのだが…
コーヒー豆は、ある程度ロースト(焙煎)しないと十分に膨らまず、膨らまなければコーヒー本来の
香味も出てこない。
深煎りコーヒーを見慣れたドイツ人技師には、生焼けに映るほど浅煎りに思えた… 』
コーヒーは、香味を最大限に醸し出すポイントというものがあって、
そのポイントは決して浅煎りではありません。
この事を考えると、日本のアメリカン登場の歴史には反しますが、〝浅煎り豆を粗挽き〟したコーヒーは自分では
お出ししない 事が良いと考えています。
最近は、日本人にもスタンダードコーヒーの味覚基準が出来て、何が美味しい、何がそうでない という
感覚が定着してきているように思います。
とても良い傾向です!

にほんブログ村

にほんブログ村
スポンサーサイト