あん ドリアン助川
久しぶりの本ネタです。
「あん」 ドリアン助川著 ポプラ社

5月に映画化されますが、監督・脚本が河瀬直美さん です。
負い目がある雇われ店長千太郎の小さなどら焼屋に
ある日、手の不自由な老女 吉井徳江 が現れ雇うことに。
この老女は、50年もの間自家製あんを作っていたとのことで
店で使う既製品のあんこを自家製に変え、
それが繁盛に繋がったのですが…
裏面解説には「生きる意味とは何か」 と書かれてあって
生まれてきた意味、生きる意味、考え方 という深い部分の描写があります。
でも、自分が一番共鳴したのは
あんを仕込む時に、原料の小豆の〝声〟を聞け というところ。
どんなところで生まれ育って、どうやってここへたどり着いたのか
そのことを仕込みの時に小豆の声を聞いてあげる…
珈琲豆の焙煎の時、
原料生豆の〝生い立ち〟を思いはかっていたか? となると
微妙です。
なのでこの一行を読んだ時、ハッとしたのかもしれません。
珈琲の場合、例えば乾燥の工程では乾燥機にかける方が効率的には上です。
他にもお米なんかもそうですね。

しかし、手間も時間もかかるけれど、天日で乾かす方が
絶対に美味しくなる!
それは、収穫されて間もない時は 「まだ生きている」 からで、
もの凄いストレスを感じているので、時間をかけじっくりストレスを取り除いてあげることで
美味しく仕上がる のだそうです。
あん を読んで、人生観というよりものづくりへの取り組みを
再確認させて頂きました。

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